バランタイン30年 Ballantine’s 30Years Old

バランタイン30年、このスコッチウィスキーは、私の中で忘れられないお酒となりました。

一番最初にこのお酒を飲んだのは、二十歳の頃、成人のお祝いの席でした。この頃だといくら位したんでしょうか。この頃のこのお酒の封は、まるでシャンパンのように針金で厳重に封印されていました。その頃の私はというとお酒を飲み始めたばかりの完全なビギナー。当然のように水割りにして飲もうとすると、

「バカ野郎、この酒はストレート以外はもったいない!」

という叱責を父親からもらい、渋々ストレートで飲んだものです。ウィスキーをストレートでのむビギナーがどういう目に遭うか。味なんかわかったものではありません。おぼえているのは、舌から喉から胃まで焼けたことだけでした。ところが、これをきっかけに水割りは薄すぎて一切受け付けられなくなり、基本はロック、気づくとほぼストレートでウィスキーをのむようになっていました。ストレートでのむからにはおいしいウィスキーではないとつらいわけでした。今の私のスタイルはこの頃にすでに固まっていたということですね。

その後、友人とサイパンに遊びに行くことがあり、現地の酒屋さんでバランタイン30年を入手しました。日本円で2万5千円くらいだった記憶があります。これを父親に土産として買っていくと一言。

「これはお前が結婚したときに封を切る」

結局、約束をかなえることはできませんでしたが。

そして、2011年5月3日。ずっと封印したままのこのお酒の封を切りました。義兄と姉と相談して、このままにしておいたら心残りだろうということで、通夜の晩に4人+αで。あくまで、残った人間のノスタルジーに過ぎませんが。

バランタイン30年、このお酒は、父親と最初と最後にのんだお酒となりました。

今も、お気に入りのショットグラスにこのお酒を注いで供えています。

親父さん、今までありがとう!

カテゴリー: ウィスキー, 徒然話 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください